すご過ぎる結末に唖然!

こんにちは!
今日は、小説の感想を述べようと思います。題名は『何様ですか?』。著者は枝松蛍さんです。2015年に「このミステリーがすごい!」大賞に選ばれた輝かしい作品です。みごとなまでに俗世間のドロドロの人間関係を描いています。登場人物に浴びせられる罵声は強烈で、人を人とも思わない表現力には舌を巻きました。心の奥底に誰もが持っている悪意を惜しげもなくさらけ出し、正常と狂気の境界線にいどんだ恐るべき作品です。

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あらすじ

舞台は錬成館高校というある実業家に乗っ取られた高校。主人公の平林美和は中学生の時に義父にレイプされ、弟を殺害されてしまった。絶望的な人生に何の希望も見いだせず、高校で大量殺人を計画。死んだ弟の声に誘導されるように計画を進めていく。当初はひとりで計画していたが、途中、遠藤安子という同じ高校の生徒と手を組んで計画を進めることになる。遠藤安子は、倉持穂乃果という女子生徒と懇意にいしていたが、本当は、穂乃果とはいやいやながら付き合ってたという。平林美和も倉持穂乃果を嫌っていたので、意気投合して一緒に殺人計画を立てることになる。ファイナルプランとして、文化祭の時に毒を使った大量殺人を計画した。すべては計画通りに進んでいたのだが、手を組んでいた遠藤安子は怖気づいてしまい、手を引いてしまう。結局、美和ひとりが文化祭で使う蕎麦に毒をセットすることになる。しかし、結末は読者の予想をはるかに絶するものだった。無残、というか、生き地獄、というか、人間のやることじゃない、というか、とにかくすご過ぎる! 

 人生に疲れたあなたに伝えたい。疲れ、傷つき、ボロボロなのはあなただけじゃない。人間界というところはそんなところなのだ。きれいごとじゃすまされない凄い世界に、私たちは住んでいる。汚れた世間にすでに免疫力のついたあなたも、これから鍛えられようとしているあなたにも読んでもらいたい一冊。強くなろう。意地も悪くなければこの世では生きていけない。




自己顕示欲の塊が集結

渡瀬幹夫という実業家が錬成館高校を買収する。「パース・ポポロ」というイタリア料理店の経営者である。ポポロだなんて、とてもかわいい名前だよね。その反面、渡瀬幹夫はすごい自己顕示欲の持ち主。その店に関する記載はないが、ものすごいブラック企業だということがうかがえる。渡瀬は自分の力で錬成館高校を優等生ばかりの高校にするといっていきがっているが、読み進んでいくと、生徒がまるで北朝鮮の住人のように理事長の渡瀬幹夫や校長に従順になっていく姿が実におもしろい。まるで宗教団体の教祖様なみ。ところが、本当は学校の体制が生徒達にとってすごいストレスの元になっていて、ストレスのはけ口として、生徒達は学校に講演にきた小説家に対して強烈な質問をあびせる。小説家は30歳という設定で、十代の生徒にののしられてもカッとなることもできず我慢するのだが、煮えたぎる腹の中が見えそうで怖い感じがいい。生徒の罵声に近い質問は人権侵害といってもいいくらいひどいものだが、すんなり読めてしまう自分も怖いと思った。




美女二人

主人公の平林美和は、ショートカットでスタイルばっちりな美人だが、最初はクラスで孤立していて誰とも接触しようとしない。物語の途中、倉持穂乃果の友人である遠藤安子と仲良しになる。倉持穂乃果は男女を問わずみんなに人気のある美女で、性格も明るく、活発で、くよくよせず、前向きな女の子。足が太いのが欠点。平林美和の心の声は首尾一貫して変わらない。かわいそうな生い立ちに読者として同情してしまう。読み進むにつれて、主人公だからかっこよく最後を飾るにちがいないと強く思うようになる。倉持穂乃果は今風のチャラい女の子って感じで、高校生活をブログで報告するという設定になっている。ブログの文章はまるで画像をみているかのごとく素晴らしいタッチで描かれていて、生の声を聞いてるかのような脳の錯覚を起こすほどすごい文章力! この女性がいかにポジティブで、清らかで、誰からも好かれる素晴らしい性格の女の子であるかをタップリと味わいながら読んでほしい。野球のルールも知らないで野球部を応援しているところなんてすっごくかわいく描いてあるよ。その可愛らしさをしっかり味わって読んでね。おもしろい現象が起こるから。




謎の女、遠藤安子

遠藤安子は、最初、倉持穂乃果と仲良しだった。物語の途中で平林美和が加わり、見かけだけの三人仲良しトリオのような感じになる。やがて、遠藤安子の心が平林美和のほうに傾き、遠藤安子と平林美和が倉持穂乃果の悪口を言うようになる。遠藤安子は、美女の子分的、あるいは、使い走り的な存在に描かれている。読み進むにつれて、平林美和が遠藤安子に心を開いていくのがわかる。しかし、後におこるハプニングをほのめかす言葉が、チラッ、チラッと、隠されているので見逃さないで読んでみてね。

物語の構成

物語は三部構成でできている。平林美和にあこがれている男の子が兄にあてて書いた手紙。倉持穂乃果のブログ。平林美和の独白。この三部だ。(世界を外部から眺める透明な観察者として存在し続ければ、やるべきことはおのずと明らかになるよ……)というユウちゃんという人の声で始まる。私はこの始まり方に度肝を抜かれた。「 」ではなく( )が使われている。でも、人が話している文体だ。このユウちゃんという人は一体何者か? そして主人公のクラスメートに対する観察が始まる。人を動物に例えることはよくあるが、なんと、物に例えるなんて、すごい、というよりも、ひどい表現だ! どす黒いというか、底意地が悪い、というか、もはや表現する言葉がない。美しい恋愛小説が好みの人は読まないほうがいいかもね。ひどいイジメに苦しんだ経験のある人はすっきりするかもしれない。とにかく、清らかな少女として描かれている倉持穂乃果と人間嫌いの平林美和の対照的な人物の対比が非常におもしろい。読み進むにつれて、主人公である平林美和がますますかっこいいヒロインに見えてくる。反面、倉持穂乃果はただのおきゃんな、かわいこぶりっこしている、おバカな女の子に見えてくる。清野俊という男子生徒は、イケメンで倉持穂乃果があこがれている生徒、しかし、清野は平林美和に好意をもっているかのような感じに描かれている。読者としては、やっぱりそうだよねぇ~、平林美和のほうが魅力的だわ~、となる。「このミステリーがすごい大賞」では、どんでん返しがつきものだ。この物語には、とんでもないドンデン返しが待っている。おすすめの一冊!




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