ナンジャその格好は! もう少し人間らしい姿をしてくれ!

私の服のセンスのなさに、
息子があまりにも
私を妖怪扱いするので、
今日は
息子と一緒に
服を買いに行きました。

ショッピングモールでは
意外に安い服もあって、
見ていると
楽しくなりました。
今から奇妙な出来事に
遭遇するとも知らずに。

 

次々と目に飛び込んでくる
カラフルな色を
選んでは試着してみました。

 

ところが
今よりもっと
妖怪に近づいていく私の
姿を見て息子は、
「おい」と、
押し殺したような
掠れた声をかけてきて、
「あれを見ろ」
と言いました。

 

なんと、
私の姿が視界に入る場所から
人がいなくなっており、
妖怪のような顔の女性店員だけが、
私を見ていました。
女性は、低く太い声で
「なかなか動物的で素敵」
というと、
ぶあっはっはっはっ、
と薄気味悪い声で
笑っているのか
泣いているのか
判別不能な表情を
見せつけながら、
洋服のディスプレイを
整えていました。

 

息子は
その得体の知れない妖怪と
最近の女性の服について
楽しそうに話していました。

 

私は、
息子と妖怪店員の
アドバイスを受けて、
今までに
味わったことのない
コーディネートに
夢中になりました。

 

今までのような
得体の知れない服装から
やっと人並みのセンスに
目覚めたことを
嬉しく思い、
息子と妖怪に感謝です。

 

気に入った服を持って、
レジに向かう時、
私と息子の姿が
柱の鏡に映りました。

 

なんと、
息子の顔と私の顔が
あの妖怪店員と
同じ顔になって
いたのです。

 

レジに到着し、
支払いを済ませました。
レジの女性は、
妖怪の顔になっている
私たちの顔を見ても
何の反応もありませんでした。

 

世にも不思議な
今日の出来事から、
世界の不思議を
感じました。

 

誰もが妖怪の顔をしていて、
誰もその人の本当の顔を
知らないのかも知れません。

 

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