宇宙のお話

宇宙は神様の息。
ながーいながーい息。
宇宙は今膨張している。
神様が息を吐いているところ。
人間の息に比べたら、
途方もなく長い息だから、
いつ吐き終わるのか、
いつ吸い始めるのか、
想像もつかない。

いつか、
神様が、
息を吸い始める時がくる。
どんどん息を吸って、
宇宙が縮み始める。
最後には宇宙はなくなる。
そして、
何もなくなる。
人間は、
もともと何も存在しなかったことに気付く。
そう、
私達自身も、
ほんとうは存在していない。
何も始まっていないし、
何も終わることはない。
目の前を流れていく雲も、
さっきまで隣にいた友達も、
会話も、
太陽も、
月も、
悲しみも、
ない。
何も心配することも、
悩む事もない、と気付く。
空はどこまでも青く、
月はどこまでも冷たく、
太陽はどこまでも冷酷だ。
そう、
今見えているもの、
聞こえている音、声
感じているもの、
すべてが、
神様の息と一緒に、
吸い込まれる時がくる。
何も心配はいらない。
全てが無くなった時、
残るものは、
愛だけ。

 

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