事務員から看護師に転職して見えてきたこと

医師や看護師って、
私はサービス業だと思うのですが、
違いますか?
資格が必要なサービス業じゃないですか?
相手がお客様か患者様の違いで、
医学的な知識が必要なサービス業ですよね?

 私は事情があって事務職から看護師に転職しました。もちろん看護学校を卒業して国家試験を受けて看護師になったわけです。当時、レギュラーコースの看護学校では、採血などの実技の授業がほとんどなく、急に降ってわいたように看護師になりました。学校では若い子と和気あいあいとして楽しく過ごしたのですが、実際に看護師として働くとかなりの衝撃を受けました。なんでそんなに威張ってるの??
 最近は、事務職から医療関係の仕事に転職する人がけっこういるみたいですね。看護学校も看護大学に替わっています。私が人生で最初に就職したところは銀行です。研修では、お客様対応から始まり、銀行員としての仕事内容に至るまで、細かい取り組み方について勉強しました。当時は、接遇にうるさかった時代でしたから、頭の下げ方からお茶の出し方に至るまで細かい実践的指導があったのを覚えています。実際に仕事に携わってみると、なんといっても銀行は人のお金を預かるわけですから、強烈に厳しい職場でした。一円の違いも許されません。三時で店を閉めてすべての課が、つまり、普通預金、当座預金などのすべての課の計算が合わなければ、草の根を分けても、ゴミ箱の中もくまなく調べるわけです。年齢が分かってしまいますが、当時はまだそろばんをはじいていましたから、今の時代は計算するにはそんなに大変ではないかもしれません。銀行を退職した後も、いろんな事務職をしていました。とにかくお客様商売でお給料をもらっているという感覚が強く、笑顔や声かけなどに気を付けていたように思います。ところが、看護師になってみると、パッとしない接遇にびっくりしました。白衣の天使を夢見て看護師になった人はすぐに辞めてしまい、私のように金銭的な問題で看護師になった人のほうが長続きしていたようです。病院のやり方にもよるのですが、最初に勤めた総合病院以外は、確認もいい加減でびっくりしました。ひたすら注射を打つ看護師と注射を打ったしるしに伝票に印鑑を押す看護師が違ったりして、印鑑押し係のリーダー看護師が、注射を打っていないのに、まるで事務員みたいに機械的にパンパン印鑑を押していました。最近はデジタルが発達しているので、昔みたいなことはないかもしれませんが、同じ名前の患者さんが三人いたのに、点滴に苗字だけ書いて部屋番号も書かない病院もありました。私は同じ名前の患者さんに間違えて点滴したことがあって、事故報告を書いたこともあります。幸い、点滴の中に入っていた薬が胃薬であったため、患者さんには特に影響はありませんでした。思い切って師長さんに点滴にはフルネームで名前を書いて、さらに部屋番号も書くほうがいいのでは、と申し出たところ、そうすることになりました。以前勤めていた銀行ではありえないことです。銀行員だったのは何十年も前のことですが、あの頃でさえ、端末を操作したのは誰なのか分かるように鍵のナンバーがそれぞれの銀行員に割り振りされていました。小さな医院になると、師長さん以外は准看護師のようで、医師も一般社会で働いた経験がなく、確認行為がいい加減だったりします。母が血液検査の結果を私に見せて、中性脂肪が高いって言われた、と言って私に検査表を差し出したところ、なんと740mg/DLもあってびっくりしました。焼肉を食べたばっかりの脂ぎったおっさんの血液か!? と思いきや、名前を見ると母ではなく別の男性の検査結果でした。母のバッグの中から三枚の同じ男性の検査結果が出てきました。毎月間違えて出していた? 先生も疲れていたのでしょうかね? クリニックを観察していると、いまだに電子カルテではないそのクリニックでは、ナースが紙のカルテに検査結果を挟んでドクターに渡している様子。先生も、こんなに痩せた老人女性の中性脂肪が700を超えているなんて変だと思わないのでしょうか? と不思議に思いました。私が銀行に勤めていた時、ちょくちょく日本銀行に行くことがありました。一千万円の札束って、厚みがやく10センチくらいなんです。一千万円の塊ふたつを持って預金に行ったことがあります。たった二つしかないものを、日銀の職員二人が、何度も、一千万円の束を見て、指さし、いち、にぃ、と数えていたのを滑稽だと思ったことがありました。つまり、お金に関することには、ミスは絶対に許されないので、馬鹿丁寧に仕事をするわけです。ましてや、病院は人の命を預かるところなので、銀行と同様にもっと注意深く仕事をしたらいいのに、と思いました。母はすぐにそのクリニックをやめて今はスタッフがたくさんいる大きな病院に通っています。
 看護師以外の仕事をやっていたナースは、看護師の世界しか知らないナースとは、ちょっと違いますね。自分で言うのも恥ずかしいけど、患者様をお客様ととらえているので、言葉使いやちょっとした対応に温かみがあるように思います。看護師の世界しか知らないナースの方が、事務処理的に仕事をやっているように感じました。マウントをとっているのではありません。小さなミスでも繰り返して間違うような医院や病院は避けて、患者さんの体や心をベストな状態に近づけようと、患者さんと一緒に考えてくれる医師や看護師に巡り合って頂きたいので、今日のブログを書いてみました。

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事務員から看護師に転職して見えてきたこと” に対して2件のコメントがあります。

  1. ちょびと愉快な仲間たち より:

    面白いですね、かなり大変な職場にいましたね。
    僕もかなりの底辺な病院にいましたが、そこまではなかったので ある意味良かったかもしれません。
    社会人から学校に行ってナースになりましたから、ある意味で患者さんと普通に話が出来ました。
    えらいナースさんは、普通に現役で学校出てそのまま就職した感じの方が多いようですね。
    井の中の蛙大海を知らずって言う事でしょうか⁉︎
    ドクター1番、自分達はその次みたいって思っているようです。
    僕はナースをやめましたが、患者さんに寄り添えるナースさんを育ててください。

    1. jasmineyoko より:

      コメントありがとうございます。
      日本では年齢制限がありますから、
      さすがに40歳では良い病院には入れませんでした。
      子供を無事に大学にやりましたので、
      私も今はナースをやっていません。
      なかなか面白い経験でしたよ^^

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