かっこ悪いあなたの姿も見てもらいなさい

子どもの前では、
いつもかっこいい親でいたい、
生徒の前では、
いつもかっこいい先生でありたい、
でもね、
かっこ悪いところも魅力的なんです。
かっこ悪い時を乗りこえて、
かっこよくなったほうが、
人間らしくていいじゃないですか。

若い頃の苦労は買ってでもしろ、
というのはある程度ほんとうかもしれません。
若い時でないとできない苦労はとくに。
何もかもトントン拍子で
失敗したことがない人は、
それはそれでラッキーかもしれません。
しかし、失敗から起こる色んなダメージに
対抗するパワーが湧いてこないかもしれません。
子供は親の背中を見て育ちます。
かっこいい親も、かっこ悪い親も、
どちらからも学ぶことができるのはいいことです。
先日、テレビで病気の親の面倒を見ながら
中学校や高校に通う子供の姿を見ました。
家事にたくさんの時間を取られて
やっと宿題ができるのは夜中になり、
疲労がたまっているようでした。
こんな家に生まれて来たら、
何も学ぶことは何もない、と思うでしょう。
しかし、人間はどんな状況でも学んでいるのです。
子供も親も学んでいます。
限界が近づいてくる前に助けを求めること、
たくさんのやるべきことの中で優先順位をつけること、
出来ることと出来ないことを明確に知る事、
負担を減らすために捨てるべき事や物、
ひとりで頑張っていると、
どこかで人の優しさに触れることもあるでしょう。
病気の親のケースではなくても、
会社が倒産して無職になった親からも、
子供は何かを学ぶのです。
ほとんどのことが順調だった人より、
突然身に降りかかった不幸を隠したりせず、
そのまんまを誰かに見てもらうことは
恥かしいことだと思わなくてもいいのです。
自分のかっこ悪い姿は、
その姿を知っている誰かの心の中で生き続け、
貴重な体験となって、
誰かの未来を照らす小さな明かりになるのです。

↓ いつもクリックしてくださってありがとうございます。応援してください。

エッセイ・随筆ランキング

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA