年寄りの奇妙な現象___人間ウォッチング

年を取ると人に言えないようなミスをする。
それでも、いままで厳しい戦後を生き抜いてきたから、
プライドだけは高い。
間違いを認めたくない。
二世帯で住んでいたりすると、
まるで女王様のように振る舞うお祖母ちゃん。
家を取り仕切っている人はお嫁さんや娘だったりする。
それでも、お祖母ちゃんは、自分がナンバーワンだと思いたい。

「お祖母ちゃん電話よ。受話器置いとくね」
と言って、コタツの上に受話器を置いた。
コタツに入って横になっていたお祖母ちゃんが、
よっこらしょ、と起き上がる。
なんと手にしたものは、テレビのリモコン!
必死に「もしもし、もしもし、もしもし」
と繰り返すが返事なし。
「電話が切れとるよ。なんと気の短い人なんじゃろー」
と愚痴りながら、
「最近のテレビは面白くないねぇ」
と言って、手に持っていたリモコンでチャンネルを替えた。

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お祖母ちゃんを車で目的地に連れて行こうとした時、
「そこそこ、そこを右」
「この先にあるケーキ屋さんを左」
「あ~、間違えた! 右だった」
「あそこのケーキはまずい!」
「もう二度と買わないわ」
お祖母ちゃんの声で、ナビがまったく聞こえない。
「ナビが聞こえないから静かにしてよ」と言うと、
「ナビなんか聞かなくてもよろしい! 私のほうがよく知ってるから」
と、自己中まるだし!

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お祖母ちゃんが服を裏返しに来ているのを見て、
「服が裏返しになっているよ」
と教えてあげたのに、
「これはね、リバーシブルなんじゃ」
と言ってそのまま出かけて行った。
自分のミスを絶対に認めない。

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私はスマホにグーグルアシスタントを入れている。
私の声で登録してあるけど、
もしかしたら、他の声でも認識するかもしれない、
と思って、お祖母ちゃんを利用した。
「このスマホにОKグーグル、と言って見てよ。」
お祖母ちゃんは面倒くさそうに、
「ОK、グルグル」と言った。

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