『林住期』 BY 五木寛之

人間の生涯を四つに分けると、
①学生期(がくしょうき)・心身を鍛え学ぶ時期8歳~25歳
②家住期(かじゅうき)社会人として経験を積み、結婚して家族を養う時期25歳~50歳
③林住期(りんじゅうき)自分の内面と向き合って成熟を目指す50歳~75歳
④遊行期(ゆぎょうき)人生の終焉に向けて準備をする時期 75歳~
となるそうです。

 

 五木氏によると、林住期はお金のために何かをする時期ではなく、自分が興味を持っていることに向かってジャンプする時期だと述べています。ほとんどの人が生涯の中でなすべきことを何もせず雑事に追われて生涯を終えるといいます。どうしたら、意義深く楽しい林住期を送ることができるのでしょうか。
 日本では、特別な人を除いて、年をとっても生活できるような年金はもらえない人が多いのです。お金のために仕事をしている高齢者はたくさんいます。私が考えるのに、お金がかかる楽しみじゃなくてもいい場合もたくさんあるような気がします。私の祖母は91歳で亡くなりました。ジグソーパズルが好きで、数千ピースもありそうな巨大なジグソーパズルを何個も完成させ、家族に褒められ、嬉しそうな顔をしていました。そんな祖母の顔は今でも思い出のストックに収まっていて私を励ましてくれています。お金持ちなら、一流のデザイナーに作ってもらったドレスを持って、豪華客船で世界一周にいくものいいですね。しかし、五木氏は、「人生に必要なものは、じつは驚くほど少ない。一人の友と、一冊の本と、一つの思い出があれば、それでいい。」と述べています。人生において本当に必要なものは、お金で買う事のできない、思い出の詰まった物や出来事なんでしょうね。人間は死ぬまで、生き甲斐を抱きしめて生きているのです。「死」を穏やかに受け入れるためには、林住期という第三の人生を楽しむに限ると思いました。何かに夢中になっている人は、輝いていて何歳になっても若々しくて美しい。若い人は肌が綺麗で皺もなく見た目にツヤツヤしていて美しいのですが、70歳を超えても美しい人もいます。人生の荒波を超え、他人への思いやりや責任を果たし、大きく成長した内面が人間に深みを与えるのではないでしょうか。
 黄金のごとく花開く林住期を迎えるにあたって、若い人もすでに林住期に入っている人も、自分の人生を楽しむための準備をしておきたいものです。人間の美しさや魅力は、どのようにして年齢を超え、より美しくより輝かしいものになるのでしょうか。この本は人間の本質に深く入り込むと同時に、無情な世の中にあっても、闇と光を同時に認め、楽しく生きるためのバイブルです。

 

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