今はそういう時なんです

人間の目から見て、
自分の歴史を良い時期と悪い時期に分けてみる。
良い時期とは、争いもなく平穏無事に暮らしている時期。
悪い時期とは病気や不況などで苦しんでいる時期。
良い時期と悪い時期の比率は半半だと思いたいですよね。
しかし、世の中は、どうしたわけか不平等ですから、
良い時期80%、悪い時期20%のAさんもいれば、
良い時期10%、悪い時期90%のBさんもいる。
努力と成功は比例していません。
いつまでたってもうまくいかない人は
どうしたら救われるんでしょう?

 なんとしてでも目標を達成しようと頑張り過ぎて疲れていませんか? どんなに好きなことをやっていても、成果が出なければ疲れてしまいます。やる事なす事、ほとんどがうまくいって平穏無事に生活できている人は、生まれた時からそういう人生を歩むことになっていたのです。Aさんの悪い時期は20%ですから、耐えるエネルギーをそんなにたくさん使う必要がありません。私が勝手に思うのですが、エネルギーが余っているのでAさんはそのエネルギーを使うために、またこの世に生まれてくるような気がします。Bさんの場合は、90%の悪い時期を乗りこえるのに、相当なエネルギーを使っています。たった10%しかない良い時期が光り輝いて見えます。有り難い、という言葉の通り、「有る」ことは当たり前ではなく、「手に入れるのが非常に困難なものである」ということを身をもって知っているのです。苦しみのと闘いにエネルギーを使い果たしているので、また生まれ変わってくることはないのではないかと思えるんですよね。お釈迦様の目標は、お浄土に行ってもうこの世には生まれてこないことだったと言います。お釈迦様だからクリアできたことかもしれませんが、私たち一般の人間も苦しめば苦しむほど、輪廻転生なんてまっぴらごめんだ、と言いたくなるでしょう。
 コロナの予防接種が日本でも始まるようですが、怖いという気持ちが先に立ちます。定年退職して、もう働いていない人はそうでもないかもしれませんが、働き盛りで奥さんと子供を養う立場にある人は不安になるでしょう。自然災害や伝染病の流行などによる困難が、人生のどの時点で発生するかによって、人は、職を失ったり、勉強ができなくなったり、いろんなものや機会を失います。人間は何かを失う度に、いままでそれがあったということ、それができたということ、がどんなに有り難いことだったのかに気付くのです。たとえば、セーターを着るという行動は、当たり前のことではないのです。私たちは、両手があって、両手とも自分の思う通りに動いてくれるということに気付いていません。お友達と飲みに行くことも同様です。できなくなって初めて有り難い事だったと気づくのです。今は、たくさんの人が不安や恐怖の中で進退窮まっています。こんな不条理は受け入れ難いですが、私たちは、物凄いエネルギーを燃やして、今を乗りこえようとしていることには間違いないと思います。

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