初就職の会社がブラック企業だったら__ラッキーかも?

一度地獄を見ると、世の中につらい仕事はなくなるんです。
苦しい経験を若いうちにするからこそ、
得られるものもある。
ジャーナリスト 池上彰

ある会社に勤めている若い男の子が、
本当に楽しそうな顔をして仕事をしていました。
良いところに就職できてよかったね、
と、申しますと、
毎月100時間を超える残業をしていると言っていました。
覚えることだらけで、
自宅に帰ってからも夜勉強をしているそうです。
大変だね、と言いましたら、
前の会社に比べたら相当マシらしいのです。

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若いうちに地獄を見ておくのもいい

この社員(Aさん)には、なんと三度も退職経験があったのです。その中の一つは睡眠時間が毎日2~3時間くらいしか取れない会社だったらしい。もう一つは、面接の時に希望していた所属とは全く違う課に行かされて一カ月も夜勤をし続けることになり、丁度一カ月働いて辞めたそうです。最後の一つは月100時間以上の残業があるうえに、パワハラ上司の嫌がらせがひどく、35度という炎天下のなかを一時間も自転車で移動する業務を言い渡されたとこのと。Aさんは気分が悪くなり救急車を呼ぼうかと思ったらしいです。実際には救急車を呼ばずに乗り越えたといいます。さらには職場の敷地内にある草むしりを何時間もやらされたり、重箱の隅をつつくようなことを指摘してきて大声で怒鳴られたと言います。以前、女性スタッフもいたそうですが、この上司に「おまえなんが死んでしまえ」と言われていたのをAさんは、目の前で見たという。他のスタッフがいる前でも、お構いなしに怒るので、その男性のためにたくさんの人が退職しました。女性は、立つ鳥水を濁さず、と思ったのか結婚退職と言う理由をつけて退職されたそうです。にわかに信じられない話だと言われそうですが、実際にあった話で、Aさんは労働局にも相談に行ったとのことです。こんなにひどい地獄を見たので、Aさんは、今の勤め先が天国のように感じられると言っていました。

捨てる神あれば、拾う神あり

 最近、政府はブラック企業を厳しく取り締まる傾向があります。働き方改革などを行って、人使いが荒い会社は少なくなったのでしょうか。あまり会社のブラック振りについて話題にならなくなりました。若い人が気にしているのは、履歴書かもしれません。Aさんも、1~2カ月勤務しては辞めるという経歴を履歴書に書きたくないと言っていました。嘘を書いてはいけませんが、あまりにも短い勤務の会社は書かないことにしたらしいです。しかし、全く書かなかったら、面接の時に空白の時期に何をしていたのか聞かれるので、二つの会社は書いたといいます。今のご時世ですから、退職した理由をちゃんと述べることができればよいと思います。仕事を探している時の空白は、公務員試験にチャレンジしていたと言っておけばいいかもしれません。すべては縁で繋がっているような気がします。履歴書を汚してしまっても、縁があれば就職できるし、どんなに立派な経歴があっても、縁がなければ就職できません。20回くらい退職したのであれば問題視されるかもしれませんが、2~3回くらいの退職が次の就職先に響くことはないんじゃないかと思いました。

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