強い錯覚で結婚した場合

結婚とは強い錯覚の産物かもしれない。
結婚とは他人同士の共同生活である。
痘痕も靨という言葉が示しているように、
好きだ、という感情はすべての欠点を隠してしまう。
当人同士のルックスだけを言っているのではない。
全く違う家庭環境で育った者同士が共同生活するのだ。
お互いの両親との関係、
将来確実に起こるであろう介護の問題、
お金の問題、など、
経験したことがない出来事が待っている。
この「好き」とか「愛している」とかは、
強い催眠術にかかっているようなもので非常に厄介である。
結婚してしばらくすると、
立ちどころに催眠術から覚めて現実に直面する。

ニューヨーク・マンハッタン・ユニオンスクエア

ケーススタディー

 女性A子さんは現在の彼氏と付き合い始めて2年。1年前に、A子さんは同居している自分の両親に彼と結婚したいと話したが、反対されて彼に会うことすらしてくれない。A子さんは29歳、彼氏は35歳。A子さんは手に職があって自宅でパソコンを使って稼いでいる。彼氏は母子家庭で兄弟がおらず、母ひとり子ひとりの家庭で育った。その母親は高齢で寝たきりとなっている。彼氏は現在、病院で介護の仕事についているという。A子さんの両親が娘の結婚に反対している理由は、経済的に苦しい生活になること、結婚するとすぐに姑さんの介護をするようになること、の2点を挙げている。さらに、離婚するのは目に見えていると述べ、反対を押し切って結婚するなら、親子の縁を切るとまで言っている。

彼氏だけしか見えていないA子さん

 A子さんが私の娘だったら、やっぱり結婚を反対するかもしれません。かわいい娘に苦労させたくないですからね。アドバイスするとしたら、相当な覚悟で結婚してください、と言うでしょう。自宅でパソコンを使って仕事をしているとのことですが、有名ユーチューバーのようにガッツリ稼いでいるのならいいですけど、両親から経済的な理由で反対されているところをみると、そんなに儲かっていないのではないかと思います。彼氏の介護士としての仕事も、普通の会社員ですから、そんなにびっくりするほど稼げる仕事ではありません。子どもが生まれて、子どもと姑さんの世話をしていると、いくら在宅ワークだと言っても今まで通りの稼ぎではなくなる可能性があります。そうなると、寝る時間はないし、お給料は減るし、イライラは溜まるし、という未来図を見据えたうえで、結婚を選ぶなら「覚悟」を決めるべきでしょう。ただいま恋愛真っ只中の若い人には分からないと思いますが、私も働きながら子育てをしました。ウチの子は昼夜逆転の子どもで夜泣きがひどく、ほとんど寝ないで仕事に行く日が続いていました。赤ちゃんにもよると思いますが、ウチの子は2~3時間おきにお腹が空いて泣いていました。一睡もせずに会社に行く日もありましたよ。小学校に行き始めると、PTAの役員も回ってきます。子育てって本当に大変なんです。それと同時に姑さんの介護と自分の仕事を同時進行させる覚悟はありますか? と聞いてみたいです。さらに、介護の仕事には夜勤がつきものです。以前、私が看護師をしていた時、介護福祉と一緒に夜勤をしていました。老人病棟は2交代勤務が普通ですから、17時間労働です。二日分まとめて働くわけですからね。私は、夜勤を終えて帰ってきたら、普通の主婦としての家事がありますから、30時間以上起きている時もありました。17時間労働の旦那さんにも家事を協力してもらう必要があります。

ノンデュアリティーの視点から見た場合

 人生は生まれた時からすでにプログラムされていて、自分でコントロールできない、という考えに当てはめると、A子さんが結婚の道を選んでも、選ばなくても、どちらでもプログラムを完璧にこなしているということです。A子さんの両親も、娘の未来をコーディネートすることなんてできません。結婚の道を選んでうまくいくか、離婚するか、誰にも分かりません。案外うまくいくかもしれないし、夫の強力を得て何の問題もないかもしれません。起こることは起こるし、起こらないことは起こらないのです。私たちは寸分の狂いもなく与えられたシナリオ通りに行動しているのです。結婚に限らず、どんなことでも、やってみたくてうずうずしている事をハイリスクが怖くて実行しなかった場合、ほとんどのケースで後悔します。実際にやってみて失敗したとしても、その失敗は、「失敗する」とプログラムに書かれていただけで、誰のせいでもありません。好むと好まざるに関係なく、失敗も、離婚も、解雇も、すべてがパーフェクトな形で起こっているのです。小説を読んでいて、主人公になったつもりで応援していると、読み進めていくなかで、あ~あ、こんな事になってしまった、と気づくでしょう。あれと同じ感覚になれたら、気楽になれるような気がします。

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