考えてもどうしようもない事

四面楚歌状態で、
相談するところもなく、
いくら考えても解決できそうもない。
崖淵に立っているようで、
ちょっとした刺激で、
谷底に落ちてしまいそう。
ひたすら耐えるしかない。
こんな経験をしたことがある人も少なくないと思います。
どうしたら気楽になれるのでしょうか。

広島市中区縮景園

 悩みは無限にあると思いますが、今日は長年仮面夫婦をやっている男性の話をします。定年退職してお小遣い稼ぎにアルバイトをしているBさんは、見た感じは、優しい奥様と一緒に楽しく老後を送っているように見えます。子ども達も孫をつれてよく遊びに来てくれます。
 はたからみると何の問題もないように見えますが、Bさんと奥様の仲は今すぐにでも離婚したいほど険悪な感じです。子ども達が帰って二人で夕食を食べる時、奥様はBさんの茶碗にご飯も入れてくれないそうです。たまに入れてくれても、投げるようにして渡すか、茶碗が割れそうなほど大きな音を立ててテーブルに置くそうです。夫婦の会話は全くありません。どうしてこんな状態になったのか、Bさんは奥様に聞きたいのですが、話し合いをしようとしても奥様はまったく無視して無言で過ごしていると言います。こんな状況では耐えられませんよね。私なら、気が振れてしまうかもしれません。実際にこんな夫婦がいるんだなと思うと恐ろしくなります。しかし、こんな状況なのに、Bさんも奥様も離婚する気は全くありません。奥様も夫に対してこのような態度をし続けるのはかなりのエネルギーがいるのではないかと思います。二人の子供もそれぞれの奥様達もみんなBさんの奥様の味方のようで、Bさんはガチで孤独な様子です。奥様のご機嫌がひどい時は、カギをかけられていまい、Bさんは家に帰ることもできず、車の中で野宿することもあると聞きました。そんな時、Bさんが考え出した「楽になる方法」は、頭の中から家庭をごっそり捨てて、楽しい事だけをするやり方だそうです。アルバイト先の仲間と食事をしたり、趣味の油絵を描いたりして楽しんでいるらしい。家庭があそこまで荒廃していたら、何も楽しくない、と思う人もいるでしょう。しかし、考えても仕方ないことはどうしようもないのです。離婚しようと思っているのなら、弁護士に相談できるでしょう。友達にも聞いてもらえるでしょう。Bさんは、家庭のことは一切頭から外して自分が没頭できることにエネルギーを使っているそうです。ノンデュアリティー的に考えると、目の前にいる妻は、Bさんの妻を演じているキャラクターに過ぎないので、実在する人ではありません。Bさんが友達と会って楽しく過ごしている時は、奥様は存在していないのです。さらに、Bさん自身も、一緒に過ごしている友達も、誰もいません。この世に起こる現象はすべて幻想のようなものなので、目が覚めると、あ~、すごい女と結婚してしまった夢を見た、と思って、夢でよかったぁ~、となるのです。本当の自分はすべての現象を表現しているエネルギーそのものです。人格もエネルギーの表現であって、例えば、すぐ人を批判する質の悪い人がいたとします。しかし、すぐに批判ばかりする人=その人、ではなのです。大好きな俳優さんが、映画で悪役を演じていても、その俳優さんは台本に書いてある通りに、また映画監督が言う通りに演技しているのであって、その俳優さんは、その役のキャラクターとは別物です。Bさんの奥様もただのキャラクターだと思いたいですよね。でも実際に鬼のようにBさんを攻撃してくる奥様を、ただのキャラクターを演じているだけだなんて思えません。普通の人間では無理です。それでも、人間はいつか死んで焼かれて煙になって空を舞い、灰になって自然界の一部になるのだと思ったら、少しだけでも、気が楽になりませんか? Bさんほど困った状態でなければ、ほとんどの悪い現象は小さなことだと思えませんか? Bさんは究極の苦しみを味わいながらも、その苦しみをゴッポリ頭から外して楽しいことをしたい、と考えることができるのはすごいことだと思います。私だったら、気が変になりますよ!
 四面楚歌で、誰も味方をしてくれない状況の中では、ノンデュアリティーは救いになると思います。何かひとつでも、解決するかもしれない方法があるとしたら、できる限りのアクションを起こして、後は運命に任せるのです。最大限の努力をしたら、結果がどんなことになっても後悔しません。

『オープン・シークレット』BYトニー・パーソンズ
『つかめないもの』BY ジョーン・トリフソン
『ホームには誰もいない』BY ヤン・ケルスショット
『誰がかまうもんか』 BY ブレイン・バルドー
『すでに愛の中にある』BY 大和田菜穂
『ただそのままでいるための超簡約指南』BY J・ジェニファー・マシューズ
『bing : the bottom line』BY Nathan Gill
『すでに目覚めている』BY ネイサン・ギル

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