自分のミスを人のせいにする人の末路

 

 

プライドが高すぎて、
自分のミスを認めず、
あなたのせいでこうなった、
と、相手にイチャモンをつける人

京都 嵐山 キモノフォレスト「龍の愛宕池」 この玉に触れるといいことがあるそうです。

我慢をしなきゃいけない時もある!

 私が看護師になったばかりの頃、プリセプターシップというやり方がありました。私よりも1~2年先に看護師になった人に、一年間、仕事のやり方を習うというシステムです。キャリアのあるベテラン看護師に新人を任せると、仕事に慣れ過ぎているため、フレッシュさがないので、こんなのは分かっていて当たり前、みたいな感覚になっているため、教え方に問題が出てくるらしいのです。私が思うのに、人に何かを教える時は人間性が顔をだすように思いました。
 私のプリセプターは24歳の若いSさんという看護師で、当時私は40歳でした。ある日のこと、私は6人の患者さんが入院している病室を担当していました。突然やらなければならない仕事ができてしまい、その時間に二つの仕事を同時にできないので、Sさんに二つの仕事のうち一つをお願いする事にしました。手術後の患者さんが初めて入浴する時に、患者さんの容態を観察する仕事でした。Sさんは快く引き受けてくれました。私はSさんに、病室と患者さんの名前と、患者さんに入浴してもらう時間と、私が40度のお湯を用意しておくこと、を伝えました。患者さんはすぐそばで私とSさんの話をうなずきならから聞いていましたから、特に知らせる必要はないと思いましたが、一応、入浴の担当はSさんになったことを伝えました。夕方、廊下でその患者さんに会った時、「準備して待っていたけど、入浴の時間になっても呼ばれなかった。入浴していない。Sさんも忙しそうだったので、特に声をかけなかった。」とのこと。Sさんに聞いてみると、一瞬、しまった! という感じの顔を見せましたが、信じられないようなことを言いました。「あなたねぇ、あんな説明じゃ分からないわよ。もっとちゃんと説明しなさいよ。私がその仕事をしなかったのは、あなたの説明不足のせいです。」と。私はまだその病院に勤め始めたばかりで、プリセプターと険悪な関係になったら損だと判断して我慢しました。言い返す言葉はいくらでもありました。「分からなかったら、どうして私に聞き返さなかったのですか? 私は、患者さんの名前も、病室も、時間も、仕事の種類も、私が準備しておく風呂のお湯のことも、すべて伝えましたよ。」と、喉のところまで言葉がでそうになりましたが、涙を呑んで我慢しました。上司に言ったらいいじゃん、と思う人もいると思いますが、そこが新人の弱いところで、私の味方など誰もいませんし、上司に言いつけたりしたら、Sさんとの関係はズタズタになります。
 ハラワタが煮えくり返るほど頭にきましたが、ぐっと我慢しました。本当に情けないことが起こりますよね。或る程度の仕事をマスターしたらやめようと思っていた病院でしたから、その時までの我慢だと自分に言い聞かせて頑張りました。子どもを大学までやるためには仕方ない選択でした。普通の家庭の一家の大黒柱のお父さんって、なんて大変な仕事をやっているんでしょう、と思いました。これがこの人間界の辛いところですね。

期限付きで我慢する!

 入浴テストは翌日、私が担当しました。患者さんは、通路側のベッドに入院していましたので、昨日のSさんの言葉が気になったといいます。私が検温していると、「あなたはちゃんと説明していたのに、あなたの説明が悪いせいで、Sさんは仕事を忘れた、と言っていましたね。あなたは、どうしてちゃんと説明した、と言い返さないのですか? あなたはSさんより年上ですよね。」と言いました。「ここではSさんのほうが先輩なんですよ」と言うと、患者さんは首をかしげていました。
 正義の味方をしてくれる患者さんに少し救われたような気がしました。私は次の患者さんのベッドに行って検温しました。正義の味方の患者さんが廊下に出た時、ちょうどどんぴしゃりの瞬間に、Sさんと鉢合わせました。そこで、患者さんがSさんに正義の剣をつきつけました。「あなたねぇ、どうして昨日のテスト入浴に来なかったの? 私は下着とか用意して待っていたのよ。あの看護婦さん(私)はちゃんと説明していましたよ。私はその現場にいましたからね。結局、自分が頼まれた仕事を忘れていたのに、あの看護婦さんの説明が悪かったから仕事をしなかったって言っていましたよね、あれだけ大きな声で言ったらまる丸聞こえですよ。私のベッドは通路側のここですからね。自分のミスを人のせいにするなんて見苦しいわ!」患者さんがこういうと、Sさんは、「昨日はすみませんでした。今度から気を付けます。あの看護師(私のこと)にはよーく言い聞かせておきますからね」と言った。患者さんはあきれてしまい、「謝るんなら、私じゃなくてあの看護婦さんに謝りなさいよ。」と言っていた。Sさんは、涼しい顔をしてそのまま廊下の先を悠々と歩き、消えていきました。病室で聞いていた私も唖然!
 患者さんに注意されているのに、悠然とかまえて知らんぷりしているこのSさんは、普通の感性の持ち主ではないですね。関わらなくてよかったと思います。のちに、患者さんが、投書箱に書いて、看護部長まで話が伝わったようです。しかし、Sさんは誰からもお叱りを受けることなく、平然として勤務していました。

天罰がくだる!

 かなりまずいことをやっている悪人なのに、何のお咎めもなく平然と生活できる人もいれば、何も悪いことをしていないのに、犯人扱いされたり、イジメられたりする人もいます。それがこの人間社会です。
 自分がミスったことは、どんなに先輩であろうと、「ごめんなさい」が言える人なら、気持ちよく一緒に仕事ができます。謝りたくなくても、自分のミスを認めて、せめて人のせいにしないほうがいいです。なんの落ち度もない人を責めて、自分だけが助かればいい、と思う看護師って結構多いです。こういう人は、人を見て意地悪をしているんでしょうね。自分よりも大先輩の人には、素直に謝るのだと思いますよ。卑怯ですね。弱い者イジメです。人間だから間違えはあります。重要なポストについている看護師、特にオペ室の看護師は、オペを開始する直前まで何回も確認します。Sさんは、オペ室のナースはできないと思いました。私は看護師になる前は一般事務員をやっていましたが、ミスを認めず、人のせいにするような質の悪い人は見たことがありません。今回のSさんは、約束通りの仕事を忘れたわけですから、まず、準備して待っていた患者さんに謝るべきですよね。でも、謝らなかった。それは、謝ったら、自分のミスを認めることになるから謝らなかったんだと思います。
 こういう性質の人は、病院以外の他のグループでも同じことをやると思います。例えば、家庭とか、何かのサークルとか、或はご近所付き合いとか、そういう場所で約束を破ったうえに、他の人のせいにしたら、大バッシングを受ける時がくると思います。

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申し訳ないことをした、と素直に謝る人のほうが、よほど信頼できる存在だと言えるでしょう。生きていたら、悔しいことにいっぱい遭遇しますが、涙をこらえて黙るほうが得策の場合もあるし、相手の間違えを指摘するほうがよい場合もあります。悔しくて、頭にきて、泣きたいようなことが起こったら、総合的に判断して、悔しくて泣きたい現実にどっぷりつかっておく方が得策の場合もあります。我慢する羽目になったら、このブログを思い出してください。我慢する人もたくさんいますから。女性の方は、旦那様を大切にしてあげてください。男だったら会社に7人の敵がいる、という話を聞いたことがあるでしょう。家族のために一生懸命働いている男性はえらいなぁ、と感心します。

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